他人のことなんてわからない。
誰しもみんな、自分が受け取りたいようにしか受け取らないし、
記憶したいように記憶するし、見たいものしか見ない。


というようなことを、泊まりに来た母と話した。
だから他人に委ねすぎてはいけないし、固執してもいけない。


自分に自信が持てなくて、他人からの評価を求める。
それは別に、おかしなことでも間違いでもないんだろう。
ただ、そこで他人から高評価を得たとしても、
他人のことなんてわからないんだから、自信なんて持てない。
そのひとがどういう意図で、どこを見て、なぜ高評価を下したのか、
それが自分の中で明確にならない限り、自己評価にはつながらない。


刹那的に自分を求めてくれたり、自分のうわべや、こころからのものでは
ないかもしれないことばや、肉体や、そう見せようとして見せているものを
求められても、そこに価値なんて見出せない。
本質を、人間性を、まごころと礼節を、美意識を、培ってきたものを、
わたしがうつくしいと信じるものを、祈りを、こころの底からの感情を
評価してほしいという、わたしの欲求であり期待なのだ。


しかしそれはことごとく裏切られるだろう。


消えてなくなりたい。